Klein aber fein ークライン・アバ・ファインー

小さいけれど、大したものだ。

ドイツには、家にしても車にしても、小さいながらもすぐれたものを称えて言うとき、
Klein aber fein(クライン・アバ・ファイン)」という言い回しがあります。

ワインとは、言ってみればガラス瓶に入ったわずか数百mlの物質にすぎません。
であるにも関わらず、その小さな瓶のなかにつめられた、
なにかとてつもなく大きな世界に、世界中で多くの人々が魅了され続けています。

おいしいワインを追求する旅はやがて、
そもそも「おいしいとは、何か。」という問いを生みます。

「おいしさ」は、どう定義するのか。
すべては主観の問題なのか。
それともなにか客観的な基準があるのか。

そうした議論は収束することはなく、
見つけたと思った答えも雲のように形を変えていってしまいます。

この問いに対する僕のひとつの答えは、「おいしさ」は、
「飲む人」と「造る人」のココロと密接に関係しているのではないかということです。

「飲む人」の、ワインの味わいの豊かさ・深さを愛で、
自然や作り手、その時を共有する人々に感謝する気持ち。

「造る人」の、自然を感じ、尊び、その自然の産物をそっくりそのまま、
あるいは自分なりに洗練させて、多くの人々に届けたいと願う気持ち。
そして、生きとし生けるものすべてに恵を与えてくれる「地球」という星の想い。

そんな想いが結びついたワインを飲んだ時、
僕はまるで宇宙に投げ出されたかのような気持ちになるのです。

「おいしいワイン」を飲む体験は、人との出会い、暮らす街、自然ー
日々のあらゆる瞬間に隠れているそんな感動に気づかせてくれます。

ワインは「小さなモノ」にすぎないかもしれませんが、
その「小さなモノ」が期待や想像をはるかに超えたすばらしい世界を見せてくれるのです。
ワインと向き合う日々は、我々に世界の秘密を教えてくれるかもしれません。

Klein aber Wein.(小さいけれど、これがワインだ。)
そんなワインをお届けしていきます。


                               Klein aber Wein 代表
                               佐々木 ヨハネス晴基